リネカーは自虐ネタ、岡崎は困惑。「勝てないレスター」の原因を探る (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by Getty Images

 昨季までスカウトを務めたスティーブ・ウォルシュ(現エバートン・フットボールディレクター)をして、「ふたり分の運動量がある」と言わしめたカンテは、タックル数(175回)とインターセプト数(156回)で、昨季リーグトップの数字を叩き出した。相手の嫌なところに顔を出してはインターセプトし、素早く攻撃につなげることで、プレッシングサッカーの効力は倍増していたのだ。しかし、後釜のMFダニエル・アマーティやMFアンディ・キングは走力、守備力とも不十分で、中盤のボール奪取力は劇的に弱まった。

 効果的にプレスをかけられないことから、ズルズルと陣形は後退し、敵に気持ちよくパスを回される試合が増えた。しかも、中盤の防波堤がいないため、DFウェズ・モーガンとDFロベルト・フートも安定感が低下した。悪影響は守備面だけにとどまらず、高い位置でボールを奪えないことから、ショートカウンターの数も減った。攻守両面で、チームのバランスは著しく悪化したのである。

 ボーンマス戦後、岡崎慎司もチームの問題点を次のように指摘している。

「どうしてもチーム全体が引いてしまうので、(先発したFWのイスラム・)スリマニも『かわいそうやな』と思った。パスを受けても、(FWでも)そこからゴールが遠い。だから、どうしてもゴール前に入っていけない......。戦力的にも、中盤の勝負で負けてしまう状態にある。耐える時間が長ければ、FWとしてもなかなか難しい。"バーディーの一発"が戦術面で多くの割合を占めていて、『そこからどう展開する?』というところで苦しんでいる」

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