小林祐希が描く未来予想図。「今、一番行きたいのはウェストハム」 (3ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • ルート・フースト●写真 photo by Ruud Voest

「祐希、お前どうだ?」
「俺、調子いいですよ」
「でも俺、お前を使う気ないから」
(えっ?)
「俺以外のコーチングスタッフ、メディカルスタッフ、チームメイト、サポーターを認めさせて、『小林祐希が必要だ』という声が挙がったら、俺は使う。それまで、俺はお前を使う気はない」

 そう言われて俺は、「ちぇっ。なんだ、コイツ。ふざけるなよ」となりました。だけどこの時期、エジルがレアル・マドリードからアーセナルに移籍したデビューマッチを見て、「これだっ!」って思ったんです。俺、そこから変わったんですよ。

―― 「これ」とは、なんですか?

小林 エジルは攻撃で上がってきたチームメイトをいいタイミングで使い、動き直してボールを受けて、いいタイミングでまたチームメイトを使っていた。彼がやっていたのは、「自分」じゃない。自分がいいプレーをするんじゃなく、周りを生かすのが自分にとっての「いいプレー」だった。

 それまでの俺は、「自分で決めたい」「自分でアシストしたい」「自分がカッコいいプレーをしたい」と思ってやってきたから、それを変えようと思いました。だけど、味方をいいタイミングで使うには、チームメイトがうまく動いてくれないとダメ。それまで、自分のしゃべり方は生意気で、先輩たちに対しても、「ちっ、なんだよ」みたいな......。それを。「(下手に出る姿勢を見せながら)もうちょい、あそこへ行けますか?」とか、少しずつ自分を変え始めました。それが、2013年の夏のことです。

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