うなだれるメッシ。W杯南米予選「10番対決」はネイマールに軍配

  • 沢田啓明●文 text by Sawada Hiroaki photo by Getty Images

バルセロナの僚友、メッシ(アルゼンチン)と抱き合うネイマール(ブラジル)バルセロナの僚友、メッシ(アルゼンチン)と抱き合うネイマール(ブラジル) セレソンが得点をあげるたびに、カナリア色のユニフォームの背番号10は高々とジャンプし、チームメイトと抱き合って全身で喜びを表した。一方、白と空色の縦縞ユニフォームの背番号10は両手で頭を抱え、膝に手を当ててうなだれた。この夜に限っては、バルセロナでは脇役を務める男が主役を張り、クラブでは絶対的な王として君臨する男が見る影もなかった。

 11月10日夜(日本時間11日午前)、ブラジル南東部ベロオリゾンテで、2018年W杯南米予選第11節のブラジル対アルゼンチンの試合が行なわれた。代表同士の試合としては、南米最大にして世界でも屈指のクラシコである。

 試合が行なわれたのは、ブラジルが2014年の自国開催W杯の準決勝で、ドイツに1-7という歴史的大敗を喫したミネイロン・スタジアム。もし敗れたら、あの忌まわしい記憶がまざまざと蘇るに違いなかった。しかしもし勝てば、あの屈辱を消し去ることは不可能としても、多少なりとも和らげることができる。また、最大の宿敵を叩くことで選手は大きな自信をつかむだろうし、南米予選(参加10カ国)でも首位を確保できる。ブラジルにとって、どうしても勝ちたい試合だった。

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