ラニエリ迷走。突然の5バックで岡崎慎司CL初先発がお預けを食らう

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 FCコペンハーゲンとのチャンピオンズリーグ(CL)第4節の先発メンバーに、レスター・シティの岡崎慎司の名前はなかった。

 ここまでプレミアリーグで2試合連続の先発出場を果たし、10月29日に行なわれたトッテナム・ホットスパー戦後にはクラウディオ・ラニエリ監督が日本代表FWを名指しで賞賛する一幕もあった。しかも、ポジションを争うライバルのFWイスラム・スリマニが鼠径(そけい)部を痛めて欠場。キャリア初となるCLでの先発に近づいたと思われた。

突然の5バックシステムで攻撃陣もかみ合わずドローに終わる突然の5バックシステムで攻撃陣もかみ合わずドローに終わる ところが、ラニエリ監督は岡崎をピッチに送り出さなかった。最大の理由は、イタリア人指揮官が突然採用した「5バックシステム」にあった。

「3人のCBと2人のウィングバック」を配した最終ラインは、守備時に5人がフラットに並んで守備を固める。しかし攻撃時は、ウィングバックが中盤まで位置を押し上げることから、3−4−2−1のようにも見えた。ただ、岡崎ですら、「5バックは想像もしていなかった。(練習もしっかり)していなかった」と語るように、練りに練った策ではなく、ラニエリが突発的に採用したようだ。

 その影響だろう。コペンハーゲン戦でのレスターは、チグハグなプレーばかりが目についた。特に5枚の最終ラインは安定感がなく、CBのウェズ・モーガンはトラップミスからピンチを招き、CBのロベルト・フートも相手のパスの目測を誤って後逸。慌ててファウルで敵を止め、警告を受ける場面もあった。前任のナイジェル・ピアソン監督時代は5バックを用いていたが、ラニエリがこのシステムで公式戦を戦うのは初めてのことだ。

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