初のアジア王者も前途多難。日本を待つ、とんでもない世界のU-19 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

 U-20W杯出場を、手放しで喜ぶことはできない。

 そもそも日本が大勝を収めたイエメン、カタール、タジキスタン、ベトナムとの試合は、ほぼサッカーにならなかった。相手はエリア内でも自由にシュートを打たせる有様。戦術的に訓練されておらず、体力的に劣り、技術も未熟だった。アジアサッカーのレベルの低さが危惧されるほど。事実、前回のU-20W杯ではアジア勢4チームがグループリーグを戦い、1勝11敗と無残な結果に終わった。アジアと世界の距離はかなりあるのが現状だ。

 来年のU-20W杯への出場国が決定しているのはアジア、オセアニア、欧州のみ。アフリカ、南米、北中米カリブはこれから予選が行なわれる。はたして、日本は「世界標準」に迫れるのか?

 世界では同年代の若者たちが、すでに大人に入り混ざって切磋琢磨している。

 19歳のブラジル代表FWガブリエル・ジェススは、この年代のタレント筆頭格と言えるだろう。名門パルメイラスの主戦力としてゴールを量産。自国開催のリオ五輪では金メダルを手にし、フル代表も経験している。2017年1月からはジョゼップ・グアルディオラ監督の誘いでマンチェスター・シティ入団が内定。バルサ、レアル・マドリードなどメガクラブとの争奪戦の末だった。

2 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る