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ケルン大迫勇也「クラブが一番。
日本代表はまったく意識していない」 (2ページ目)

  • 寺野典子●文 text by terano noriko photo by Getty Images

 監督も僕の気持ちはわかってくれていたんだけれど、『(大迫を)試合で使いたいけど、今は1トップでうまくいっているから、左サイドで起用せざるをえない』というふうに説明してくれていました。そして、今季のシーズン前の合宿で、2トップでやることがわかったから、だったら、僕は誰にも負けないと思った」

――試合出場を優先するために、与えられた仕事を熱心に消化し、ある種の"便利屋"のような扱われ方をする日本人選手もいますが、大迫選手はあえてそういうふうにならないようにしているのかなと思うこともあるんですが。

「『サイドのプレーは僕にはできない』ってことは言います。サイドは守備もやらなくちゃいけないし、僕はあくまでもセンターFWとしてゴールを獲る選手だから。守備もやるけれど、やりすぎないようにしているところはありますね」
 
 守備をしすぎないという大迫。欧州での日本人選手が、献身性や運動量などが高く評価されるなかで、得点力でチームに貢献するという彼の覚悟と自信が伝わってくる。

 2014年1月、2部の1980ミュンヘンでブンデスリーガ挑戦をスタートさせた大迫。1トップでの起用だったが、とにかくパスが出てこなかった。「動き直しは必要ない。お前が動き直すと味方がお前を見失って、パスを出せなくなるから」という指示。真骨頂の動き直しを封印されながらも得点を重ねた。

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