目の前で武藤嘉紀がゴール。宇佐美貴史が語る「焦りながら、焦らず」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 一方、アウクスブルクの宇佐美貴史はベンチ入りしたものの出場せず。「攻撃の自分が、ベンチに残っている状況でチョイスされない現実」を、冷静に振り返った。

 武藤と宇佐美はともに1992年生まれ。言わずもがなだが、これからの日本代表を牽引していくべきフォワードだ。だが、現時点での置かれた立場は異なる。ブンデス2季目ながら、昨季後半を負傷で棒に振ったこともあり、武藤は未だにフレッシュな感覚でチームに向き合うことができているようだ。これに対して宇佐美は、10代でバイエルン、ホッフェンハイムを経験し、古巣のガンバ大阪を経てブンデスに再チャレンジ中。なかなか出場機会をつかめずにいる状況について、「焦りながら、焦らず」と、絶妙なコメントで心境を表現した。

 実質的に半年間のブランクがある武藤だが、今季もこの日の得点で早くも2点目。いずれも途中出場で、出場時間は30分あまりであることを考えれば、実に効率よくゴールを奪っていることになる。マルティン・シュミット監督からは「徐々に出場時間を伸ばそう」と言われているそうだが、結果から見て、先発の座を奪回する日は近いはずだ。

 試合後の武藤は、勝利への安堵感とともに、自身への課題を口にした。

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