ジダンのレアルにCL連覇はあるか。欧州「4強クラブ」の今季と来季 (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 とはいえ所詮は新人監督だ。プレッシャーは名将より低い。しかも、欧州一に輝いたとはいえ、決勝はPK勝ち。内容もよくなかった。満足度の低い優勝。昨季のバルサとはその点で大きく異なる。美味しいモノをお腹いっぱい食べてしまった満足感こそが、2連覇のモチベーションを下げる一番の要因になるが、それがジダン率いるR・マドリードには見られない。そのPK勝ちに、思い切り胸を張る厚かましさはない。少々照れくさい勝利との自覚が監督並びにチームに浸透しているなら、連覇の可能性は今回のバルサより膨らむ。

 次に2連覇するチームはどこか。その立役者となる監督は誰か。名門度、名将度は、その偉業を達成した瞬間にハネ上がる。バルサ、R・マドリードのいずれかから、それが誕生すれば、もう片方は立ち直れない程のショックに苛(さいな)まれる。R・マドリードのピンチは一転、バルサの大ピンチに切り替わった。おごる平家ならぬ、おごるバルサは久しからず、である。

 一方で、一度もおごったことがないアトレティコのディエゴ・シメオネは、来季で就任6シーズン目となる。高位を浮き沈みなくキープ。実は、最も美味しいポジションに延々居座ることができている。そして監督がグアルディオラからアンチェロッティに変わるバイエルン。4強の時代は来季も続くのか。後続の追い上げが、欧州サッカーを面白くする一番の良薬であることに違いはないのだが。

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