守備を評価された岡崎慎司。来季は「その考えを絶対に変えてやる!」 (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 だから俺は、どんな手段を使ってでも試合に出て、アピールして、ゴールを獲って、結果を残そうと。それさえできれば、序列をひっくり返せる。コイツらよりも、すごいところまで行けると。そういうモチベーションでやってきた。(今回ベンチスタートになり)『そうやってきたなぁ』と改めて思いました。優勝して、その一瞬はすごくうれしかった。最高だったけど、今はそういう気持ちはないです」

 だからこそ、岡崎のチャンス時にラストパスを出さず、自らシュートを打とう(47分の場面)としたジェイミー・バーディーに、「なんで出さないんだ?」と手振り身振りを交えてアピールした。聞き流していたバーディーに食い下がり、悔しそうな仕草を繰り返す。その数、3回――。最初は岡崎のアピールを無視していたバーディーも、3度目で日本代表FWの言葉に耳を傾けて説明した。

 試合後、「ハードワークが生かされていた」と記者に言葉をかけられると、「それは誰でもできるところ。下働きのようなことをやりながら、ゴールという最終的なところで絶対に勝ちたい。こうした思いが、ハードワークのエネルギーになっている」と語気を強めた。また、試合前の定例会見でラニエリ監督が、「シンジは来季も同じようにプレーしてくれればいい」と、守備もこなす今のスタイルを肯定的に語ったことについて問われても、岡崎は、「いや、俺はそれが腹立つんですよね。そういう選手と思われるのが一番嫌なんで。その考えを絶対に変えてやる」と、ストライカーとして意地を見せた。

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