ミラン本田圭佑は「鳥なき里のコウモリ」。番記者が去就を語る (4ページ目)

  • 宮崎隆司●取材・構成 text by Miyazaki Takashi photo by Getty Images

――巷間言われているように、ミランで本田が10番をつけている事実は、ミランの衰退を象徴しているのでしょうか?

 結果的には、残念ながらそういうことになる。そして、今のミランにおける本田の立場を喩(たと)えるなら、イタリアで言うところの、「In terra di ciechi beato chi ha un occhio(鳥なき里のコウモリ)」だ。

――本田は来季も変わらずにミランの10番であり続けるのでしょうか。

 夏のメルカート(移籍市場)は長いし、まだ始まってさえいない。現時点で言えるのは、今の本田が「メルカートを持っていない選手」であるということ。つまり、需要がない。高額(推定年俸250万ユーロ/約3億2千万円)で今年30歳となる選手を必要とするビッグクラブは存在しない。ゼロではないにしても、極めて少数に限られる。

 今のミランがわずかでも(選手の移籍による)売却益を必要としている事実と、高額な超一流選手を獲れない財政事情も考慮すべきだろう。本田には気の毒だが、来季もまた、今季と同じように難しい状況でのプレーを求められることになるだろう。

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