2部降格決定の川島永嗣。「人生、終わりかも」と思った1年を振り返る (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by AFLO

 2010年夏、川島は川崎フロンターレからベルギー1部リーグのリールセに移籍。2年間プレーした後、同じベルギーの強豪スタンダール・リエージュに3年契約で完全移籍した。昇格直後のリールセを1部に残留させ、主将を務めるなど、そのプレーと存在を認められての出世だった。リエージュでは移籍初年度からフル出場を果たし、チャンピオンズリーグ(CL)プレーオフやヨーロッパリーグ(EL)予選にも出場した。

 順調にキャリアを積み重ねたはずが、3年目の後半は完全に出場機会を失った。15年に入ってからの出場はゼロ。シーズン序盤の不調など、自分自身のプレーにも理由がなかったわけではない。しかしそのこととは別に、川島が環境を変えることを望んだのは、リエージュで求められるプレースタイルへの違和感が大きな理由だった。

「自分の中で、スタンダール(リエージュ)で求められているスタイルを続けていたらもっといいゴールキーパーになれるのか、っていうのにずっと疑問を持っていたわけですよ。とにかくリスクを冒さないと認められない。でも、そうするとミスと隣り合わせになる。その間で自分も3年間葛藤していたというか、自分が求め、考えている“より高いレベル”と、そこでやっていることは違うんじゃないかなと感じていて」

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