2部降格決定の川島永嗣。「人生、終わりかも」と思った1年を振り返る

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by AFLO

川島永嗣インタビュー(前編)

1月からダンディ・ユナイテッド(スコットランド)でプレーしている川島永嗣1月からダンディ・ユナイテッド(スコットランド)でプレーしている川島永嗣 川島永嗣がスコットランドのダンディ・ユナイテッドに加入して4カ月。若いチームを牽引する助っ人としての働きを見せていたが、5月2日、残念ながらチームの2部降格が決定した。前半戦は2度の4連敗に3連敗1度と、ぶっちぎりの最下位だったが、川島が加入後の2月には今季初の連勝も成し遂げていた。

 生活面では「ようやく普通の生活がスタートした」という状態だという。当初はホテル暮らしが続いたが、3月の代表戦での帰国を機に、家族をダンディに呼び寄せたところだ。英語圏での暮らしは初めてだが、「ラクといえばラク」。ストレスからいくらか解放されたという。取材中に事務的な要件の電話がかかってきた。英語での受け答えに少しスコティッシュ訛りが入っていた。

 話は15年11月上旬にさかのぼる。川島永嗣は暗闇のダンディ駅に初めて降り立った。「世界の果てまで来ちゃったんじゃないのかな......」というのが最初の印象だった。直前まで滞在していた英国レスターを出て、バーミンガムからスコットランドの首都エジンバラへ空路で移動。さらに約2時間、鉄道に揺られた。ウトウトしながら「本当に着くのかな」と疑いたくもなった。ようやくたどり着いたのは、暗くて寒い典型的な冬のスコットランドの夕方だった。

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