香川真司「次の試合は考えてない」。カップ戦に照準のドルトムント (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko 渡辺航滋●写真 photo by Watanabe Koji

 いまのドルトムントにとって最も大切なのは、唯一タイトルの可能性が残るドイツ杯。このハンブルガー戦から中2日で準決勝ヘルタ戦が行なわれるため、そちらに向けて主力は温存したと見るのが妥当だろう。

 シャルケ戦から3戦連続で先発した香川真司は、「ドイツ杯準決勝を控えて、今日、先発ということは......」という主旨の質問に、ピリピリした空気を発しながら、「次の試合は考えてないですし、一試合一試合、出たらやる。次は分からないですけど、中2日なので、次の試合に向けてしっかりと準備したい」と、いつもと同じように答えた。

 試合のほうもハンブルガーにペースをつかまれた。そもそも最近のドルトムントは、リバプール戦を除けば、前半は相手のプレッシャーの前にボールをつなごうとしてもつなぎきれず、後半になってようやくペースを取り戻すパターンが続いていた。だがこの日はそれ以前の問題として、ハンブルガーに自信を持ったプレーをさせてしまった。

 酒井高徳はそんなドルトムントについて語る。

「ドルトムントはこういう(強豪)チームだし、こういうシチュエーションというのを何度も何度も戦ってきたチームだから、どっちに転んでもおかしくないと思っていました。どっちにもというのは、崩れるということもあるし、逆にそれをモチベーションにしてくる(ということもある)。でもメンバーを変えてきていることもあって、そんなにガッツリこようと思ってはいないのかな、と。だから僕らはやることをやれば、しっかりやれると思いました。立ち上がりはそれを見せられたかな、と。こっちとしては、失点以外は狙い通りだったかなという感じでした」

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