「本田圭佑に朗報」との声。ミラン、ブロッキ監督誕生の内幕 (3ページ目)

  • カルロ・ファブリ text by Carlo Fabbri 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 それにしてもなぜベルルスコーニはなんの実績も持たないブロッキにこれほどまで肩入れするのだろう? 若き監督はミランのユース育ち、選手としてもミランで長くプレーした経験を持つ。運動量が豊富で強靭なMFで、時には多少ダーティーなプレーも辞さなかった。ミランでは8つのタイトルを勝ち取り、うち2つはチャンピオンズリーグ優勝。アンドレア・ピルロ、セードルフといった才能豊かな選手と中盤を形成し、かつてのミランの黄金期を肌で知る監督である。

 その経歴に加え、ベルルスコーニはブロッキの指揮するサッカーが気に入っている。大胆な4-3-3のシステムの、時に危険を省みない非常に熱いサッカーだ。彼を投入することで、ベルルスコーニは眠れる獅子(と本人は思っている)ミランを揺り動かしたいと考えている。

 サッキとチェーザレ・プランデッリから教えを受けているからか、ブロッキはスピーディーなパスとドリブルを駆使したサッカーを愛する。彼のモットーは「ミランが敵を恐れるのでなく、敵がミランを恐れなければならない」。言い換えれば常に自分たちのリズムでゲームを支配しなければならないということだ。4-3-3の他に、プリマヴェーラでは4-3-1-2のいわゆる中盤ダイヤ型のシステムも使っていた。そしてこれこそがベルルスコーニの愛してやまない(というより執着に近い)システムなのである。

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