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リバプール戦の香川真司は、恩師クロップの前で無念のベンチ

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko 渡辺航滋●写真 photo by Watanabe Koji

試合後のクロップ監督(中央/リバプール)と香川真司試合後のクロップ監督(中央/リバプール)と香川真司 ドイツ国内では、ヨーロッパリーグ(EL)準々決勝第1戦ドルトムントリバプールの一戦に、ELの1試合とは思えないほどの注目が集まった。ELはあくまでチャンピオンズリーグ(CL)よりワンランク下の大会であり、1次リーグではドルトムントのホーム戦でも満席にならないことがあった。それがブンデスリーガ以上の関心を集めたのは、ドルトムントを現在のような欧州トップクラスと認識されるポジションに戻したユルゲン・クロップ(リバプール監督)という恩人との再会を、それだけドイツメディアもファンも待ちわびていたということだ。

 スタジアムは、クロップがドレッシングルームを間違えないように彼専用の案内板を作るなど、彼をユーモアたっぷりに迎えた。特に派手な演出はなかったが、スタンドのファンは盛大な拍手で迎えた。「敬意を感じた。感謝している」と、クロップも素直に喜んでいた。ドルトムントはこのカードが決まったその日に、記念グッズを売り始めるなど、経済効果も絶大だったはずだ。

 大注目の一戦で、香川真司はベンチ入りしたものの出場はなかった。報道陣の前に姿を現すことはなく、コメントも残さなかった。先週末のブレーメン戦で得点し、波に乗ってこの大一番へ臨もうと目論んでいたはずだが、そううまくはいかなかった。

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