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レアル、ヴォルフスブルクに完敗。CL優勝争いを混沌とさせた「邪心」 (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 渡辺航滋●写真 photo by Watanabe Koji

 バルサの邪心はクラシコに続き、3日後のアトレティコ戦も健在だった。本来メッシが構えるべき右サイドの状況が変わらぬなら、敗退の可能性はいっそう高まるものと考えられる。

 ところがクラシコの4日後、ヴォルフスブルクと対戦したR・マドリードは、すっかり元のチームに戻っていた。バルサ的なサッカーをしてしまった。C・ロナウドは、メッシと化していた。そこを邪心ゼロのヴォルフスブルクにつけ込まれた。逆に、ヴォルフスブルクの4−3−3の両ウイング、ユリアン・ドラクスラー(左)、ブルーノ・エンリケ(右)に有効なサイド攻撃を浴びる結果になった。

 チーム力は高いのに邪心が低いチーム。その代表格はシメオネ率いるアトレティコになるが、さらにその上を行くのは、グアルディオラ率いるバイエルンだろう。知名度の高い選手で固められているのに、変な我を持つ選手は皆無。フランク・リベリーしかり。彼はメッシでも、C・ロナウドでもない。本命と言いたくなるが、心配は、ドイツ国内に敵らしい敵がいないことだ。バルサ、R・マドリード、アトレティコの3者が絡み合うスペインの状況とは異なる。最大の敵は平和ボケと言うべきだろう。

 欧州に漂うこの混沌。準々決勝第2戦を経てどう変化するか。急変必至だと僕は思う。楽しみだ。

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