2016.04.05

CL準々決勝は「消えゆくウィングの生き残り」ヘスス・ナバスに注目

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

ドリブルで相手守備網をこじ開けるヘスス・ナバス(マンチェスター・シティ) 4月6、12日、マンチェスター・シティは欧州チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝でパリSGと対戦する。

 率直に言って、シティは盤石な状況とはいえない。今年1月末、来季の指揮官がジョゼップ・グアルディオラに決定した影響か、士気は乱れた。プレミアリーグは3連敗で優勝戦線から脱落。その後も失速したまま、ヤヤ・トゥーレ、ジョー・ハートらが構想外選手として移籍が取りざたされるなど、混乱がくすぶる。さらにヴァンサン・コンパニ、ニコラス・オタメンディという2人のセンターバックが怪我で戦線離脱、マルティン・デミチェリスもサッカー賭博で告発され、バックラインは火の車の様相を呈している。

 下馬評は、シティ不利だろう。

 それを覆すためのカギを握るのは、スペイン代表アタッカーのヘスス・ナバス(30歳)かもしれない。

 ナバスは右サイドを主戦場とする。ボールを前に押し出し、幻惑的なステップと細かいスキルで緩急を用い、簡単に入れ替わる。縦のコースを切られても、強引なまでに侵入する。疾駆するその姿は、生命を与えられた短剣が懐を貫くような魔性をも感じさせる。