スタジアムも香川真司も困惑。ドルトムントの「新システム」

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by AFLO

 ブンデスリーガ第23節、ドルトムントはホッフェンハイムを3-1で下した。

ホッフェンハイム戦に先発、前半で退いた香川真司ホッフェンハイム戦に先発、前半で退いた香川真司 発表された入場者数は81359人で、チケットは売り切れ。テレビ中継越しにも、スタジアムが黄色く埋め尽くされた様子は伝わったはずだ。だが現地にいると、このホッフェンハイム戦で目立ったのは観客席の妙な静けさだった。

 ホッフェンハイムに先制を許し、意気消沈したからというわけではない。キックオフ直後から盛り上がりに欠けていたのだ。たとえば今季ならヨーロッパリーグの1次リーグなど、空席の目立つような試合ならば、たまにあることではある。だが地元ファンにとってはチャンピオンズリーグより大事な国内リーグ。迎え撃つのは下位チームとはいえ今季前半戦でドルトムントの公式戦11連勝を止めたホッフェンハイムである。盛り上がらないほうがおかしいのだ。
 
 奇妙な静寂の理由は、おそらくトーマス・トゥヘルが今年に入って試みている難解なサッカーにあるのではないかと思う。3-4-3のシステムで、今季、前半戦で主に使っていた4-3-3に比べてより高い位置で崩すことを求められるようになった。

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