スペイン2部タラゴナの鈴木大輔。退路を断ち「やられに来た」 (2ページ目)
昨年末、鈴木大輔はそう言って腹をくくっていた。その証拠に、彼は所属する柏レイソルとの契約を(天皇杯決勝の)1月1日で切っている。自ら退路を断ち、前に進む道を選ぶ。それは人生における大きな賭けだった。
当初は、リーガエスパニョーラ1部のラージョ・バジェカーノとの交渉で動いていた。GMが鈴木のプレービデオを観て絶賛。浦和レッズ戦でのラインコントロールやディフェンダーとしての基本スキルが高く評価されていた。しかし、現場は今季獲得した中国人選手に辟易(へきえき)しており、アジア人に対する懐疑的意見が強かった。リーガでは日本人選手が一人も成功を収めていないのだ。
当初から、「99%決まっていても、1%で覆るのが契約。所属なしという状態になり得る」と危ぶまれていた。
もっとも、鈴木はその危険を承知の上だった。昨年末、岐路に立った彼の表情は決意に満ちていた。
「(昨年の)夏に海外移籍の話があったときは、嘘だろ、みたいなのはあったんですよ。でも、そういうことがあってから(海外でのプレーを)真剣に考えるようになって。たとえ、最初は通用しなくても、そこを乗り越えてやってみたい、と。それで、ここしかないな、そういう感覚が湧いてきたんですよ。今はそのタイミングを信じて、大事にしたい。こっちで決まらないなら、向こうに代理人と乗り込んでも決めてやりますよ!」
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