先勝バルサ、引き分けバイエルン。CLの両横綱どちらが優勝に近いか (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Getty Images

 相手の攻撃に先に音を上げたのはユーベだった。前半43分に先制点を、後半10分に追加点を許した。後半26分まで0−0で耐えたアーセナルと比べれば、差は歴然。そしてそれは、バイエルン、バルサのサイド攻撃の質と深い関係があると思う。

 圧巻だったのはバイエルンの先制点。右の深い位置からロッベンが折り返したボールが左サイドに流れると、今度は左ウイングのD・コスタが中央に折り返す。ロベルト・レバンドフスキーが真ん中で潰れ、こぼれ球をトーマス・ミュラーが流し込んだというシーンだが、これこそがバイエルンの特徴であり、バルサとの若干の違いだと思う。

 サイドバックのポジショニングも少し異なる。バルサが常時「大外」で構えているのに対し、バイエルンは内に構えることがしばしばある。サイドバックとウイングの関係が、外(サイドバック)と内(ウイング)にあるのがバルサだとすれば、バイエルンは内(サイドバック)と外(ウイング)。バイエルンは前方ほど広がりがある。扇形に近いイメージだ。

 サイドバックがウイングの外を回るのではなく、サイドバックを開いて構えるウイングの内側に入り込ませようとする狙いが見え隠れする。

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