監督の信頼が「厚すぎる」長谷部誠。ボランチとして勝負の1週間 (2ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei photo by Getty Images

 今季、長谷部はなかなかボランチで出場できておらず、ここ数試合は毎試合のようにポジションが変わる中で、チームへの貢献を重視してプレーしてきた。

 フランクフルトが残留争いに巻き込まれるほどの不調にある現状は、その姿勢をより強いものにしている。フランクフルトは良くも悪くも勢いに左右されるところが大きいチームである。昨季は結果が出たことでチームとして勢いに乗っていくことができたが、今季は結果が出ないことで選手たちが自信を失い、チームとしても調子が落ちていく悪循環に陥っている。

 フェー監督が長谷部に信頼を置いているのは、そんな波のあるチームの中において、どんな時でも安定したパフォーマンスを発揮でき、常にチームのことを最優先に考えてプレーすることができるからだ。そうでなければこの緊急事態に、右利きのボランチを左SBで出場させはしない。

 左SBとして出場したハンブルガー戦も、チームのことを考えたプレーが多かった。立ち上がりこそ組み立てに加わって攻め上がるシーンも見られたが、相手のカウンターが脅威だと見ると攻め上がりは自重し、失点しないことを心がけた。チームとして攻撃の時間が増えた後半は高い位置を取るシーンも増えたが、なかなかボールは出てこなかった。

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