2016.02.06

「新参者」マンチェスター・シティが
初のCL制覇に足りないもの

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 アブダビ王族のシェイク・マンスールが突然マンチェスター・シティに舞い降りたのは、今から8年前の2008年のことだった。イギリス全土を揺るがした衝撃的なクラブ買収を機に、オーナーの財布が揺れるたびに一流選手が迎えられ、ここまで着々と戦力を拡充してきた。その成果は顕著に現れ、過去4シーズンにおける国内リーグ優勝は2回。今やマンチェスター・Cは、「プレミアリーグの強豪」として確かな地位を築き上げた。

UEFAカップ制覇を2度成し遂げたMFヘスス・ナバス ところが、舞台が欧州になると話は変わってくる。2011-12シーズン以降、過去4大会連続でチャンピオンズリーグ(CL)に参戦しているものの、これまでの最高位はベスト16。いまだ決勝トーナメント1回戦の壁を突き破れずにいるのだ。順調に成長曲線を描いている国内リーグ戦とは対照的に、CLでは依然として「新興勢力」の域から脱していない。

 特に直近の2大会は、王者との差をまざまざと見せつけられた。決勝トーナメント1回戦の相手は、2年連続でバルセロナ。1度目の対決では2試合・合計1-4で敗れ、2度目となった昨シーズンも合計1-3で涙を飲んだ。内容的にも完敗で、MFヘスス・ナバスは「バルセロナとの試合は簡単ではない」と嘆(なげ)くしかなかった。

 そんなバルセロナ戦の敗戦を糧(かて)とするためにも、今年のCLは大きな意味を持ってくる。決勝トーナメント1回戦で相まみえるのは、ウクライナのディナモ・キエフ。国内のみならず国際舞台でも活躍する名門クラブだが、バルセロナと比べるとはるかにくみしやすい相手であることは間違いない。「(グループリーグでの)ポルト戦を見たが、組織力が高かった。昨年同様、僕らにとって厳しい組み合わせであることに変わりはない」とMFフェルナンドは危機感を募(つの)らせるが、欧州の頂点に少しでも近づきたいマンチェスター・Cとしては、クラブ初となる「ベスト8進出」を何としても実現させたいところだろう。