2016.01.05

「俺にパスしてくれ」。苛立ちあらわな
岡崎慎司が見せた必死の動き

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 またしても、岡崎慎司にとって消化不良の一戦になった。

 1月2日に行なわれたレスター・シティ対ボーンマス戦で、ベンチスタートの岡崎に出番の声がかかったのは、65分のことだった。

パスが回ってこずに苛立つ仕草を見せる岡崎慎司 投入時のスコアは0-0。しかも、ボーンマスには退場者が出ていた。となれば、レスターが欲しいのは当然、「ゴール」しかない。先制点さえ奪えば勝利は間違いないように思えたが、守備意識を高めたボーンマスのブロックを最後まで崩せず、無念のスコアレスドローを喫した。

 もちろん、2トップの一角としてピッチに送り出された岡崎も、ミッションは「得点を挙げる」ことの一点に集約されていた。加えて、ゴールやアシストの結果が足りず、最近は「先発とサブの境界線上」という立ち位置に落ち着いてしまってもいる。束になって総攻撃を仕掛けるなか、日本代表FWがゴールを挙げれば、直近2試合で勝利のないチームに貴重な勝ち点3ポイントをもたらすだけでなく、自身の序列を引き上げる転機になりえた。

 しかし、岡崎はネットを揺らすことができなかった――。放ったシュートは、74分に放った1本。ゴールという結果で、定位置獲りにアピールすることは叶わなかった。

 岡崎は出場25分間のなかで、ゴールを挙げようとトライを続けた。投入時から目についたのは、最前線にとどまってラストパスを引き出そうとする高い得点意欲。「どんな形でもいいからゴールが欲しかった」と岡崎が語るように、これまで売りにしてきたハードワークや献身的な動きをセーブし、得点を奪おうと精力的に動いた。