2016年、岡崎慎司がプレミアリーグで不動のFWになるために (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by Getty Images

「絶大な信頼を置かれるところにはいってない。サブでも『コイツならやってくれる』とちょっとでも思ってくれていれば、マンチェスター・C戦でも出番があった。そういう意味では、自分の立ち位置が改めて確認できましたね。必要とされる存在になっているけど、使うか・使わないかはそのとき次第という。試合で絶対に使われる選手っているじゃないですか? 途中からでも『コイツを使えばいい』という選手には、まだなっていない。段階があるとしたら、1番手でもなく2番手でもなく、3番手くらいのイメージ。

 ただ、ここまでは予想どおりですね。正直言って、いきなり毎試合出られるとは思っていなかったから。当然、最初から出番が確約されて、試合に出続けられたらいいです。でも、マインツのときは多少悪くても90分間使ってもらって、毎試合ずっと出ていたわけじゃないですか。そういう状況に置かれても、『このままでうまくなれるのかな?』と感じる自分がいた。今の状況を想定してイングランドに来て、予想どおり、もがいている。ということは、こういう状況に置かれるのが好きなのかもしれないですね」

 入団時は「FWの4番手」としてスタートした岡崎は、献身的な守備でアピールすることで、序列を一気に引き上げた。「チーム内だけではなく、プレミア内でも"頑張る選手"と思われるようになったのはよかった」と語るように、ハードワークでアイデンティティを確立し、プレミアとレスターで生き残るための"礎(いしずえ)"を築くことに成功した。しかし、さらなる成長を期して、ここからもう一歩、先に進もうとした前半戦でもあった。岡崎は続ける。

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