今日は点を獲るぞ。ラニエリを驚かせた岡崎慎司の「意識改革」 (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by Getty Images

 そうしたら、周りが『どうした!?』みたいな感じになって......。どうしたも何も、俺はもともとそういう選手。それを忘れられがちだった。自分のハードワークを(チームメイトの頭に)植えつけ過ぎていたから、今はイメージをある意味、変えるチャンス。ハードワークについては『岡崎はこのぐらいできる』と思われているから、それを捨ててでも前に行こうって」

 レスターで生き残るために「献身的な守備」でアピールしてきた岡崎だが、なかなか定位置を確保できないという壁にぶち当たった。そこで、動きの意識を変えた――。守備や献身的な動きをある程度捨ててでも、結果につながる仕掛けのプレーを増やしたのである。

 すると、練習でチームメイトからのラストパスが増え、紅白戦でもゴールの数が増加していったという。当然、クラウディオ・ラニエリ監督の目に止まり、「岡崎は練習のときから非常に調子が良かった。前線でのスピードを生かしたかったので、ウジョアに代えて岡崎を先発で起用した」(ラニエリ)。こうして先発メンバーに戻り、今シーズン3点目が生まれたのだ。

 実際、フィールドでも岡崎は積極果敢に仕掛けた。4-4-2の2トップの一角として、勝負の場面では迷わずゴール前へ突進した。まず、得点に絡んだのが27分。味方のヘッドからペナルティエリア内に入ると、裏を取られたDFラミロ・フネス・モリが慌てて岡崎の肩を引っ張る。主審はPKを与え、MFリヤド・マフレズの先制ゴールを誘発した。この場面でも、これまでなら「どうやってパスを受けるか」に集中していたが、発想の転換が生まれたという。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る