名将クロップ新体制でリバプールはどう生まれ変わったのか? (4ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 その証拠に、選手たちの言葉からも充実感が伝わってくる。主将のMFジョーダン・ヘンダーソンは「ポゼッションの有無に関わらず、エネルギッシュにプレーするようになった。選手たちは監督に引き寄せられている」と評価。イングランド代表MFのジェイムズ・ミルナーは「今までは90分間を通して可能なかぎり激しく、そして速くピッチを駆け回っていたが、クロップの教えはそうではない。常時走り回るのではなく、チーム全体でどのタイミングでボール奪取に向かうか。その見極めが大事になる」とし、一本調子にプレスを仕掛けることの多い英国サッカーとの違いを口にしている。「練習をこなすたびに良くなっている」とクロップが言うように、リバプールのサッカーは今、確実に進化し始めている。

 そして何よりも、選手たちの表情に笑顔が増えているのは、一番の明るい兆しと言えるだろう。交代でピッチを去る選手にはハグで出迎え、上質のプレーには拍手で讃える。そのせいだろうか、クロップの就任から見違えるように動きが良くなったDFアルベルト・モレノやフィルミーノを筆頭に、選手は急速に自信を深めているように映る。

 変革の先頭に立ち、リバプールを変えようとしているクロップ。その一挙一動から、しばらく目が離せない。

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