内田篤人「キライじゃない」。変人マガト、サガン鳥栖の監督に (3ページ目)
シャルケはマガトが残したスタッフと新監督ラングニックのスタッフが混在する体制でシーズン終盤を戦うことになり大混乱。内田篤人をはじめ、マガトによって獲得された選手たちも大いに戸惑った。結果的にこのシーズン、シャルケはチャンピオンズリーグでは4強に進出したが、マガト解任の理由だったリーグ戦の不振は解消されず、14位に終わった。
内田自身はチャンスを与えてくれたマガトについて悪く言うことはなく、「走らせるタイプの監督はキライではない」と話していた。だが多くの選手はマガトの解任に胸をなでおろしており、チームに明るさが戻ったのは明らかだった。
ヴォルフスブルクでは成績不振の時期、選手たちにメディアに対してかん口令を敷いた。当時所属していた長谷部誠と日本の報道陣との雑談にもスタッフが目を光らせており、「どうやら日本語の情報もチェックしているらしい」とまことしやかに言われていた。結局、管理が厳しすぎることで、選手個人の力は弱体化し、移籍を志願する選手も出てくるのが現実だった。
そういえばマガトに干されていた時期の長谷部誠は、毎日数十キロを走らされて、通常の練習に参加できないこともあった。マガトが解任され、後任にケストナーが就任したあと、長谷部が「『君がやっていたことは見ていたよ』と言われた。走っていた日々はムダではなかった」と語っていたのが印象的だった。
ネームバリューは抜群だが、手腕とやり口には疑問符がついて回る大物監督。果たして鳥栖は変人マガトを使いこなせるだろうか。
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