岡崎慎司が考える、「戦術・バーディー」とは違った新たな攻撃 (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 もちろん、まったくチャンスがなかったわけではない。32分には強いクロスボールが岡崎に入ったが、胸トラップが大きくなり、シュートまでもっていけなかった。57分には、フックスの縦パスにトラップが定まらないシーンもあった。

 ただ、この日の試合で一番可能性を感じたのは、MFリヤド・マフレズとワンツーで突破した31分のシーンだ。アルジェリア代表MFと短い「距離感」を保ち、縦パスに対して岡崎がダイレクトで彼に叩く。ペナルティエリア内に飛び出したマフレズはシュートを選択したが、リターンパスが入れば、岡崎は決定的なチャンスを迎えていた。そのプレーを振り返り、日本代表FWは口惜しそうな表情を浮かべる。

「リヤドがマイナスに折り返してくれたら、俺がいた。ああいうところで本当は(パスが)欲しいですけどね。もう1回、自分に速いパスが来てくれたら押し込めたんで。シュートじゃなくてもよかったのではないかなと」

 今のレスターでは、「バーディーに縦へパスをつける攻撃」が大きな武器となっている。そのなかで、いかにして岡崎は輝くことができるのか――。ポイントになりそうなのは、チームメイトと一定の距離感を保ち、周囲と連動して崩すようなプレーだ。その可能性を感じさせる動きが、31分のチャンスには詰まっていた。

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