データで見る欧州クラブ。強いスペイン勢、弱るイタリア勢を英独が追う (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by AP/AFLO

 ラツィオとパルマは、ミラン、ユーベ、インテル、ローマ、フィオレンティーナとともに、いわゆる「ビッグ7」に属していた。セリエAで優勝の可能性を秘めたクラブ。一言でいえばそうなるが、それは欧州の強豪と同義語だった。だが現在、イタリアのクラブに、そのまま欧州でも強豪として通った2000年以前の面影はない。

 イタリアと正反対の図式を描いているのはスペイン。バルサとR・マドリードは現在もかつても、ほぼ変わらぬポジションにいるが、2000年以降は、「2強」以外のクラブも、トップ10内に目に付くようになった。

 バレンシア、アトレティコ・マドリード、セビーリャ、デポルティーボ。かつてのイタリアで言うところの3強以外(パルマ、フィオレンティーナ、ラツィオ、ローマ)以上の成績を、欧州クラブ戦線で残している。

 欧州の10大クラブは、いわば平均していつも強いクラブだ。現在のミランのような例外はあるが、浮き沈みはそれ以外のクラブより少ない。ということは、その国の状態は、それ以外のクラブの動向、浮き沈みを探ることで明らかになる。欧州の姿は見えてくる。

 14〜15シーズン、R・マドリードとCL決勝を争ったアトレティコ。99~00、00~01シーズン、連続してCL決勝に駒を進めたバレンシア。

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