「批判発言」後も、本田圭佑への指揮官の信頼は変わらない (3ページ目)

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari   利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

「我々はいつも45分はいいプレーをする。それが今日はほとんどの時間を通していい流れだった。ところが突然10分間試合を放棄してしまったんだ。選手たちには、リードしているという状況をもっと有効に使わなくてはダメだと言った。もっとパスを出し合い、相手のファウルを誘い、より狡猾でなくてはいけない。新たなシステムのおかげで我々はよりコンパクトになった。センターの選手の負担は軽減され、守備も改善され、トリノの選手は自分たちのプレーが思うようにできなかったはずだ。だから今日こそ無失点で終わると思ったのだが……」

 失点の多さは今のミランの最大の問題の一つだ。ここまでの8試合でミランは必ずゴールを奪われている。その合計は14。1試合で2失点近くをしていることになる。

 ただ、引き分けという結果は久しぶりだった。昨シーズンの終盤から数えて、ミランはセリエAで14試合連続で、引き分けに終わったことはなかった。

 さて、話を本田に戻そう。記録としては、本田はこの試合に出場したことになっている。最後の最後にチェルチと交代、3トップの右サイドに入った。昨シーズン活躍を見せたのと同じポジションだ。

 確かにほんの数分ではあったが、本田がすでにミハイロビッチの構想の外にあると思っていた者にとっては、その認識を正す機会となったろう。日々どれほど懸命に練習に取り組んでいるかが、ミハイロビッチの選手を選ぶ基準だ。その点、本田はいつも彼を満足させる働きを見せている。

 これからミランは10日間で2試合をホームのサン・シーロで戦う(サッスオーロ、キエーヴォ)。復活を狙うにはもってこいのチャンスだ。そして同時にミランが本当に今シーズンを戦い抜くことができるかどうかを知る、大事な試金石ともなる。

オフィシャル誌編集長のミラン便り>


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