移籍金最高額はデ・ブライネ。今夏の市場はプレミアひとり勝ち (2ページ目)

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi photo by Manchester City FC via AP/AFLO

 それは「プレミアリーグ一極集中化」がより顕著になっているという傾向だ。そのことを端的に示しているのが、今回のマーケットでプレミアリーグ全20クラブが補強に使った移籍金総額が、過去最高額を計上したという事実である。

 世界的監査法人「デロイト」社の調べによれば、今回の移籍マーケットでプレミアリーグ20クラブが選手補強に使った金額は、総額11億8540万ユーロ(約1606億円)。これまでの最高額だった昨夏の総額11億3771万ユーロ(約1541億円)をわずか1年で更新してしまった。

 とりわけ、今夏はこれまでマーケットの主役を担ってきたスペインのビッグ2の動きが少なかったことが、その傾向をより色濃くしたとも言える。

 バルセロナはFIFAの制裁によってこの夏の選手補強が禁止されており、年明けまで起用しないという条件でアルダ・トゥランとアレイクス・ビダルの2人を獲得したのみ。一方のレアル・マドリードも、マンチェスター・ユナイテッドの守護神デ・ヘア獲得が失敗に終わり、結局ポルトから右SBのダニーロとインテルからマテオ・コヴァチッチという即戦力を獲得したものの、いわゆる大物補強は行なわなかった。

 これに対して、プレミアリーグの盛況ぶりはとどまるところを知らない。特に今回目立っていたのが、昇格クラブを含めた中堅以下のクラブが積極的な補強を展開した点だ。

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