「転んでもタダでは起きない」シャルケ内田篤人の復帰時期は? (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by AFLO

 途中、ハリルホジッチが「パリの医者を紹介する」とメディアを通して口にしたこともあるが、W杯後に芽生えた日本側への不信感もあるのだろう、シャルケは首を縦に振らなかった。だが今年6月、内田は日本で手術を決行。ブンデス開幕後、ヘルトSD(スポーツディレクター)は「復帰のめどは立たない」と、厳しい見通しを語っている。だが、クラブのSNSなどでは、練習風景だけでなく、ファンサービスに応じる内田の写真が多く見られるようになってきた。復帰が遠くないことを匂わせていると見ることも可能だ。

 とはいえ、シャルケは内田が2010年に加入して以来、初めて本格的に右SBが必要な状況になり、ブラジル出身のジュニオール・カイサラをブルガリアのルドゴレツから獲得した。ヘルトSDは「昨季は全てのポジションでオプションを持っておく必要性を感じた」と話している。さらにフラムからベテランのリーターも獲得。一気にこのポジションの層は厚くなった。

 主将をつとめ、これまで内田の代わりに右SBを務めることもあったCBヘベデスも昨季終盤から長期離脱中で、先週ようやくボールを使ったトレーニングに復帰したばかり。現在CBはマティプとノイシュテッタが入っている。中盤にはマインツから補強されたガイスとヘーガーが入り、トップにはフンテラールと共に長身のディサントが入った。右ウイングでプレイしていたファルファンが去り、爆発的なスピードや内田とのコンビネーションが見られなくなったのは少々寂しいが、その分、個に頼らないサッカーにシフトできるかもしれない。

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