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コパ初優勝のチリ。神経戦を制した同国史上最強チーム (2ページ目)

  • 三村高之●文 text&photo by Mimura Takayuki

 コパ・アメリカでのアルゼンチン戦の通算成績は0勝5分け19敗。この数字が示す事実と国民からの大きな期待に挟まれては、平常心を保つのは難しい。しかしこちらは、「システムは変えない。ここまで戦ってきたのと同じやり方で挑む」と宣言したように、これまで丹精を込めて育てたサッカーを貫いた。

 ポゼッションにこだわる両チームだが、この試合の公式データでは、56.9%対43.1%でチリが上回った。アルゼンチンは、両SBを引かせたこととメッシの孤立、さらにディ・マリア(マンチェスター・ユナイテッド)が29分に負傷で交替したことで、今までのようにパスがつながらない。

 一方、チリは中盤ではアランギス(インテルナショナル/ブラジル)、最後尾では、「アルゼンチンはメッシだけじゃなく世界レベルのFWが多い。彼らは2メートルのスペースがあればチャンスを作り出してしまうので、我々はプレイと仲間の連係を完璧にしなければならない」と語っていたメデル(インテル)の守備が光った。

 73分から77分にかけて、チリが波状攻撃をかけた。ここでチャンスメーカーとなったのは右SBのイスラ(QPR)。何度もタッチライン際を疾走しクロスを放った。ポゼッションで上回るだけでなくオーバーラップを繰り返し、チリが完全にアルゼンチンのお株を奪った形だ。

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