混迷する世界王者。「ドイツの時代」は早くも終焉か... (2ページ目)

  • 鈴木良平●解説 analysis by Suzuki Ryohei text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

 ひとつは、W杯後、主力選手に故障者が続出していることだ。この一年を振り返ってみると、シーズンを通してパフォーマンスを維持できていた主力選手は、FWミュラー(バイエルン)、MFクロース(レアル・マドリード/スペイン)、GKノイアー(バイエルン)くらいのもの。逆に、MFシュバインシュタイガー(バイエルン)をはじめ、MFロイス(ドルトムント)、MFエジル(アーセナル/イングランド)、MFケディラ(レアル・マドリード/スペイン→ユベントス/イタリア)、DFフンメルス(ドルトムント)、DFヘヴェデス(シャルケ)......と、故障に悩まされた選手は、その名を挙げればきりがない。

 W杯優勝の立役者である選手たちが、それだけ戦列を離れてしまっては、若手でその穴を埋めるにもさすがに無理がある。その結果、レーヴ監督のチーム作りもままならず、それがそのままチームの成績にも大きな影響を及ばしたことは間違いない。

 ふたつ目は、DFラーム(バイエルン)、FWクローゼ(ラツィオ/イタリア)、DFメルテザッカー(アーセナル/イングランド)と、チームの主軸だった3人のベテランが代表を引退したこと。とりわけ、主将として長年チームを引っ張ってきたラームと、得点源だったクローゼが抜けた穴は大きく、故障者が続出したこと以上に深刻な問題と言える。

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