今シーズンのプレミアリーグで最も「残念」だった選手は? (5ページ目)

  • 井川洋一●文 text by Igawa Yoichi  photo by Getty Images


【第6位】 唾を吐き合ったシセとエバンスに大きな代償

 たとえバロテッリが悪童っぷりを披露しなくとも、プレミアリーグは逸材に事欠かない。3月4日の第28節、ニューカッスルの本拠地セント・ジェームス・パークでのマンチェスター・ユナイテッド戦でのこと。ニューカッスルのセネガル代表FWパピス・シセと、マンチェスター・Uの北アイルランド代表DFジョニー・エバンスが試合中に交錯し、その後に口論となった。そして激高した両者は、観客が見守る中、ピッチ上で唾を吐き合う醜態を晒(さら)したのである。

 ただ、審判はこのシーンを見ておらず、両者への注意だけにとどまり、試合は続行。結果、マンチェスター・Uが1-0でニューカッスルに勝利した。しかし、試合映像にはバッチリと映っており、その後、エバンスには6試合、そしてシセには7試合の出場停止処分が下された。

 処分決定後、シセは、「チームメイト、サポーター、ジョニー・エバンス、そしてあのシーンを観ていたフットボールファン全員に謝りたい」と、クラブの公式サイトで謝罪。しかしエバンスは、「僕は誰かに唾を吐きかけるような人間ではない。あの試合でも絶対にそんなことはしていない」と容疑を否定した。

 そんなエバンスの態度に対し、非紳士的な行為に敏感なイングランド人は厳しい。FA(イングランド・サッカー協会)は、「吐き気がする」と大激怒。さらに、「受け入れられない」(元イングランド代表DFフィル・ネビル)、「最低中の最低の行為」(元アイルランド代表MFロビー・サベージ)と各方面から批判され、エバンスは窮地に立たされることになった。一度ついてしまった悪いイメージは、そう簡単にはぬぐえないだろう。

(後編に続く)

5 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る