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CL、ELで全滅。イングランドサッカー退潮の理由 (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Shigeki Sugiyama photo by Getty Images Sports

 その差が、サッカーの中身で補われているわけでもない。アトレティコのようなチームもいまのイングランドには存在しない。戦い方に定評のあったモウリーニョのサッカーも、シメオネを前にすると霞む。中途半端。かつての神通力が薄れているように見える。

 決勝トーナメント1回戦。チェルシーはPSGと対戦し敗れた。バルサ、R・マドリー、バイエルンならまだしも、金満クラブという同系列の後輩に敗れる姿は、自らのポジションを新参者に奪われてしまったようで、少々痛々しかった。

 もうひとつの金満クラブ、マンCはバルサに完敗。スコア的にはトータル1−3とよく健闘したが、バルサに遊ばれた印象の方が強い。試合後の印象は「マンC頑張ったよね」というより「やっぱりバルサは凄いよね」だった。

 スペイン、ドイツにあってイングランドにないものも大きく影響している。それは自国選手の質だ。イングランド人選手のレベルはいま、スペイン人選手、ドイツ人選手に比べて、1ランクも、2ランクも劣る。成績を出すためには、いっそう外国人選手に頼らなければならない状況にある。だが、真のスーパースターはイングランドを最終ゴールとして見ていない。このギャップはこれからますます開いていく可能性がある。

 マンUの不振も大きい。クラブの“格”で欧州3強に対抗できるのはこのチームだけ。マンUが欧州のトップに浮上してこない限り、イングランドの再浮上は見込めないのではないか。勢いがつかないのではないか。僕はそう見ている。

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