早くも結果。南野拓実がザルツブルクで得た「プレイ基準」 (3ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei
  • photo by AFLO

 公式戦2試合目でわずか45分の出場だったが、南野にとっては得るものが多い試合になった。試合後には「課題が見えたのでそこをしっかり(見つめ直して)、今後やっていければいいかなと思います」と語っている。

 レベルの違いを最も感じたのは局面でのボールへの寄せだと言う。オーストリアリーグにも体の大きな選手が多く、球際では激しいぶつかり合いが繰り広げられるが、この日ビジャレアルが見せた、喰らいつくような激しさはそう見られるものではない。「そういう中でもしっかりボールを繋いで前に運べる、それでシュートまで持ち込めるくらいにならないとやっていけない」と、南野も意識を新たにした。

 現在日本人でCLに最も多く出場しているシャルケの内田は21歳でCL初出場を果たし、ドルトムントの香川も同じく21歳でELを経験している。南野と同年代の久保裕也(ヤングボーイズ/スイス)も、半年早く、20歳でヨーロッパの舞台に足を踏み入れていた。若いうちにトップレベルを知ることは、その後の成長を考えれば非常に重要なことである。

 残りのシーズン、ザルツブルクにとって最大の目標は国内リーグ優勝を確定させることになるが、南野にとってビジャレアル戦を経験できたことは国内リーグにおける自分のプレイを評価する上で大きな基準になったはずだ。今後、南野のプレイ基準は、ビジャレアルのレベルで通用するかどうかになるはずだ。

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