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早くも結果。南野拓実がザルツブルクで得た「プレイ基準」 (2ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei
  • photo by AFLO

 とはいえザルツブルクの所属するオーストリアリーグはUEFAカントリーランキング16位。国内リーグのレベルは主要リーグに比べれば高くはなく、チャンピオンズリーグ(CL)本戦へのストレート出場枠はない。欧州でまだ何の実績も残していない選手が経験を積むのには良い環境だが、国内ではザルツブルクが圧倒的な強さを発揮しており、むしろチームメイトとのレギュラー争いの方が熾烈かもしれない。

 チームメイトにもザルツブルクをステップアップの場として考えている選手は少なくない。南野自身もチームメイトの貪欲さに刺激を受け、自らもそういった気持ちを持つことが必要だと感じていた。そんな南野にとって早くも迎えたEL決勝ラウンドは欧州の高いレベルを知る絶好の機会だった。

 対戦相手のビジャレアルは数年前に一度、2部に降格しているものの、2000年代にはウルグアイ代表フォルランやアルゼンチン代表リケルメらを擁して欧州カップ戦の常連として名を馳せたクラブだ。2005~2006シーズンにはCLベスト4に進出している。

 この試合で際立ったのはビジャレアルの試合の流れを読む力だった。第1戦に2-1で勝利していたビジャレアルは、この第2戦を守備的に進めた。ザルツブルクに先制されたことでゴールが必要になったビジャレアルだが、慌てることなくセットプレイで前半のうちに同点とし、後半になると前掛かりになった相手の背後を突いて追加点を奪って見せた。その試合巧者ぶりは欧州トップレベルを知るクラブとしての経験を感じさせるものだった。

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