オランダでコーチとなった藤田俊哉「俺はここでトップを目指す」 (2ページ目)

  • 中田徹●文・写真 text & photo by Nakata Toru

 日本サッカーの聖地・国立競技場で引退試合を行なったのが2013年5月――。VVVフェンロのハイ・ベルデン会長の肝いりもあって、この時点ですでに藤田のコーチ就任は内定していた。しかし、ビザの手続きが捗(はかど)らずに渡欧が半年以上遅れた上、会長と現場の意思疎通の難しさなどもあり、藤田は2014年1月から半年間、試用期間として『研修生扱い』でフェンロに入った。そして、公式にコーチングスタッフの一員となったのは、2014-15シーズンの開幕前である。

「フェンロのコーチングスタッフとして、俺がアジャストするかどうかは半年間、見ることが必要だと言われて研修生になった。そう言われたら、提案を飲むしかないよね。ただ、その期間の頑張りが認められて、今季から正式にコーチになった」

 マウリス・スタイン監督、ベン・ファン・ダール・コーチ、ジェイ・ドリーセン・コーチで構成されるフェンロのコーチングスタッフの中で、藤田の立場は『3番目のコーチ』だ。

「言ったら、まだまだ当たり障りのないコーチ、かな。ただ、『3番目のコーチ』って笑われてしまうかもしれないけれど、外国人指導者がオランダのサッカークラブの組織の中に入ることがどれだけ大変か。いろいろ知って理解できた」

 藤田がオランダに来たころ、フェンロには大津祐樹(現・柏レイソル)がいた。

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