本田圭佑はその闘志でミランを修復しようとしていた

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari
  • 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

オフィシャル誌編集長のミラン便り2014~2015(22)

 これは小さな前進なのか、それとも二歩後退か――2月28日、キエーボに0-0で引き分けた後、ミラニスタの頭に浮かんだのはこんな基本的な疑問だろう。

 7日前、チェゼーナに勝利した時は、年が明けてから自分を見失っていたインザーギ・ミランにやっとまた明るい兆しが訪れたように感じられた。しかし先週に引き続き、セリエA残留を争っているチームとの対戦でありながら、今回ミランは勝利を手にすることができなかった。

 ちなみにキエーボは今シーズン、ここまで決めたゴール数がたったの18と、セリエAで一番得点力のないチームである(首位のユベントスはすでに51ゴールを決めている)。この試合でもキエーボは得点をあげられなかったが、それはミランも同じであった。

キエーボ戦に後半から出場した本田圭佑(BUZZI/FOOTBALL PRES)キエーボ戦に後半から出場した本田圭佑(BUZZI/FOOTBALL PRES) 試合後の会見で、インザーギはチームのディフェンス力が上がってきたことを強調していた。ミランはここまで180分間連続無失点だというのである。しかしたとえ守備が良くなってきたとしても、サッカーはゴールしなければ勝つことはできない。今のミランに得点力がないのは明白である。2トップの後ろにトップ下1人を置く新しいシステムは非常に堅固だが、アタッカーになかなかボールが渡らず、敵のゴールを脅かすことができない。

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