首位独走態勢へ。チェルシー支えるモウリーニョ流

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao
  • photo by Getty Images

 指揮官モウリーニョは、笑いが止まらなかっただろう。

 1月18日、2位マンチェスター・シティがホームでアーセナルに0-2と敗れたことで、首位チェルシーと2位シティの勝ち点差は5に広がった。5季ぶりのプレミアリーグ制覇をねらうブルーズ(チェルシーの愛称)にとって、2位以下のチームが星を潰し合ってくれるほど、うれしいことはないはずだからだ。

チェルシーを支えるモウリーニョ監督(左)とFWジエゴ・コスタチェルシーを支えるモウリーニョ監督(左)とFWジエゴ・コスタ モウリーニョは「私はこれまで、2年目で最も多くのタイトルを勝ち取ってきた。最高の結果が出るのは、決まって2年目なんだ」と語ってきた。その言葉に違わず、モウリーニョはこれまで、ポルト(国内2冠に加え、UEFAカップ制覇)、前回のチェルシー(50年ぶりのリーグ優勝)、インテル(チャンピオンズリーグを含む3冠)、レアル・マドリード(グアルディオラ率いるバルセロナを抑えてのリーグ優勝)と、就任2年目には必ず大きな結果を出してきた。

 今季のチェルシーもプレミア、FAカップ(4回戦進出)、キャピタルワンカップ(準決勝進出)、チャンピオンズリーグ(ベスト16進出)と、すべてのコンペティションでタイトル獲得の可能性を残している。プレミアにおいてはすでにリーグ制覇を疑う声は少数派になりつつある。

 チェルシーの強さは何より安定感にある。リーグ折り返しとなった20節のトットナム戦(1月1日)では3-5と、まさかの"乱戦"に敗れたものの、翌週のニューカッスル戦では、前半戦で唯一黒星を喫した相手にきっちり2-0と勝利。そして週末(1月17日)には敵地でスウォンジーを5-0と圧倒した。

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