移籍後初のフル出場も香川真司が語った課題の数々

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo Getty Images

 香川真司がドルトムント復帰3戦目にして、初めてのフル出場を果たした。だが、ホームでシュツットガルト相手に勝ちきれず(結果は2-2)、浮かない表情を見せた。この試合、シュツットガルトの酒井高徳もフル出場している。

マッチアップする香川真司(左)と酒井高徳マッチアップする香川真司(左)と酒井高徳「勝ちきれる試合だった」

 試合後の香川と酒井は期せずして同じコメントを口にした。だが、そのニュアンスは少々異なる。香川は「追いつけて良かったけど、勝ちきれる試合だった。こういう展開になって残念」と悔やみ、酒井は「(先に2点をリードして)勝ちきれる試合だったけど、うちにとっては上々の結果」と受け入れた。

 ドルトムントはこの日、布陣を変更し、4-3-3に近い布陣でスタート。香川はオーバメヤンとともに、1トップのインモービレのトップ下のような形でプレイした。クロップ監督からは「トップ下のイメージで」と言われたそうだが、「高い位置からプレスに行き過ぎた」と振り返る。プレスのリズムを乱した感覚があるようだった。

 それでも、香川はチーム最多の7本のシュートを放ち攻撃を牽引した。前半33分には浮き球のパスに反応し、GKのタイミングを見計らってボレーシュートを放つがクロスバーに嫌われた。この日は珍しくヘディングシュートも見せ、後半29分、後半44分と惜しいシュートを放った。チームは2点を先制され、どうしても追いつかなくてはならない後半は特に積極的に攻めたが、ゴールは遠かった。香川自身にもまだまだ本来のトラップやターン、ドリブルでの繊細なプレイは見られない。強めのパスが入ればトラップはずれるし、ターンに時間がかかってピンチにつながることもあった。

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