ユーベ戦敗北も、本田圭佑の存在はポジティブだった
オフィシャル誌編集長のミラン便り2014~2015(4)
ミランの熱狂的なサポーターが集うクルバ・スッド(南ゴール裏)にはこんな横断幕が出されていた。"偉大なるチームに返り咲くための怒りの1年"。大きく書かれた文字の横には、チャンピオンズカップと三色のスクデットの絵も添えられている。
現在3連覇中のユベントスを迎えた9月20日のサンシーロ・スタジアムは満員御礼。入場者収入は過去最高を記録した。8万人が入るサンシーロが満員になるなど、近年では非常に珍しいことだ。ミラニスタたちの今シーズンにかける期待の大きさがここからもうかがえる。ピッポ・インザーギが率いるミランが再びイタリアサッカーの頂点に立つことを、誰もが切望しているのだ。
キエッリーニ(ユベントス)と競り合う本田圭佑(BUZZI/FOOTBALL PRESS) しかし――試合がどのような結果で終わったかは、みなさんももうご存知だろう。ユベントスが0-1で勝利し、ミラニスタたちの夢は――今のところ――再び引き出しの中にしまいこまれてしまった。ラツィオ、パルマと開幕から連勝したことで、ミラニスタたちはミラン復活の幻を見てしまったが、現実はやはり厳しかった。
正直、今のユベントスはミランよりも2レベルくらい上にいると私は思う。特にフィジカルの強さにおいてその差は大きかった。ユベントスはこの試合、勝つべくして勝った。ゴールチャンスを作るのも、ボールポセッションもユベントスの方がずっと上手で、ミランは必死で守るのが精一杯というシーンがしばしばみられた。
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