2014.07.20

国民の「サッカー力」が上がらなければ日本代表は強くならない

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by JMPA

小宮良之のブラジル蹴球紀行(最終回)

 ブラジルW杯決勝の翌日、リオデジャネイロにあるコパカバーナのビーチ。前日までの騒ぎが幻だったかのように収まり、祭りの後を匂わせた。お隣の国から大挙押し寄せたアルゼンチン人が、決勝で負けておとなしくなったことも大きかったかもしれない。

「20~30万のアルゼンチン人が母国の代表を応援するためにやってきた。大半がチケットも持たずにね。俺もその一人さ。忠実なHincha(サポーター)がいることを誇りに思うよ」

 砂浜でサッカーボールを蹴っていた20代半ばのアルゼンチン人青年、アンヘル君は言った。心からアルゼンチンを愛しているようだったが、偏愛ではない。

ブラジルに大挙押し寄せていたアルゼンチンのファン「メッシは俺たちの英雄だ。でも、ドイツ戦は単発的にしかいいプレイができなかった。残念だね。パラシオは正直、失望だった。彼はいい選手なんだけど、いつも順応するのに時間が掛かる。GKのロメロはオランダ戦のPK戦は素晴らしかった。アルゼンチンの救世主さ。けど、全体的にプレイは不安定で、大会最高のGKはノイヤーだね」

 アンヘル君はフットボールを批評するたしかな目を持ち、自己批判も忘れていなかった。メッシ、ディマリアと同じサンタフェ州出身だという彼は、地方クラブで12歳まではプロを目指していたが、実力不足を痛感してその道を諦めた。しかしフットボールは好きなままだという。