ファルカオ不在も気にならず。FW黄金期のコロンビア

  • 三村高之●文 photo&text by Mimura Takayuki

 W杯のグループリーグで日本の最大のライバルとなるコロンビアは、5月24日から6月6日まで、ペケルマン監督の母国アルゼンチンでキャンプを行なった。ブラジルと時差がなく気候が似ているうえ、トレーニング環境が整っているという理由でかの地を選んだが、この2週間、コロンビア代表はさまざまな不運に見舞われた。

 16年ぶりのW杯出場の原動力となり、左ひざの手術から回復中のファルカオについて、「回復を信じている。23人のリスト提出期限の最後の1分1秒まで待つ」とペケルマン監督は語っていたが、無情にも間に合わず、最終メンバーから外れた。また、他にもレギュラークラスのバレンシアとラミレスが負傷により代表を去っている。「サッカーにケガはつきものとはいえ、これほど負傷者が続出するとは、昨年11月に予選を突破したときは予想すらできなかった」と、指揮官は心中を吐露した。

ファルカオの穴を感じさせない活躍のグティエレス(中央/コロンビア)ファルカオの穴を感じさせない活躍のグティエレス(中央/コロンビア) 5月31日には、グループリーグで対戦するコートジボワールの仮想相手としてセネガルと親善試合を行なった。11分にCKからの折り返しをグティエレスが決めて先制。前半終了間際にはバッカが加点しリードを広げた。この試合は23人のメンバーに絞る最終選考の場でもあり、「できるだけ多くの選手にチャンスを与えたかった」(ペケルマン監督)ということからハーフタイムにDF2人とボランチ1人を含む4人を一挙に交代。これが仇となり47分と52分に失点して引き分けに終わった。

「現在のコロンビアはFWの黄金期」というペケルマン監督は、3トップでこの試合に挑んだ。先制点を挙げたグティエレスはアルゼンチンのリバープレート所属のため国際的知名度は低いが、ファルカオのパートナーとしてレギュラーに定着していた。先制点をアシストし、2点目を決めたバッカは、UEFAカップで優勝したセビージャ(スペイン)のストライカー。さらに攻撃的MFもこなすイバルボ(カリアリ/イタリア)は、右サイドで破壊的な突破力を魅せ、2点目のアシストなど、多くのチャンスを演出した。

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