2014.05.29

圧倒的な身体能力!W杯で相手を怖がらせるセンターバックたち

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Getty Images

欧州サッカーの旗手たち(7)~センターバック編

 チャンピオンズリーグ決勝、レアル・マドリード対アトレティコ・マドリード。アトレティコの1-0で迎えたロスタイム。時計は後半48分を指していた。右コーナーキックを得たレアル・マドリードのキッカーはモドリッチ。わずかにカーブのかかったその軌道は、堅いアトレティコディフェンスに阻まれるかと思われた。しかし、ゴール前になだれ込む白いユニフォームを着た選手の中に、ひとりだけフリーになっている選手がいた。

 アトレティコは40年前の73~74シーズンにも決勝進出を果たした経験があった。相手はバイエルンで、試合は0-0で延長に突入した。先制点を挙げたのはアトレティコ。114分、ルイス・アラゴネスのゴールだった。しかし、延長後半終了間際、バイエルンに同点弾を叩き込まれてしまう。得点者はセンターバック(CB)のシュバルツェンベック。30m強のパワフルなロングシュートをぶちこまれてしまった。結局、試合は再試合になり、アトレティコはバイエルンに優勝をさらわれた。

マンチェスター・シティの守備の要、コンパニ(ベルギー代表) 40年後もそっくりの展開だった。同点ゴールを叩き込んだのはセルヒオ・ラモス(左/スペイン代表)。こちらもCBだ。

 マドリード勢同士の決勝は、過去最高と言いたくなるほど技術レベルの高い試合だった。アトレティコは戦術の高さも兼ね備えていたのだが、スペインのサッカーの特徴は個人の高い技術にある。パスが良く繋がるし、概して見栄えの良いサッカーをする。言い換えれば泥臭くない。絶対に勝つんだという勝負根性も、旺盛な方ではない。