元イタリア代表・名DFが指摘する「本田圭佑の問題点」 (4ページ目)

  • クリスティアーノ・ルイウ●取材・文 text by Cristiano Ruiu 宮崎隆司●翻訳 translation by Miyazaki Takashi

 繰り返すが、本田の左足のクオリティは決して低くない。しかし、今の本田はその才能を“より自然な形で”発揮できる環境を必要としている。W杯ブラジル大会後、十分な休養を経て、“イタリア式トレーニング”の夏の合宿後に迎える来季を待ちたいと思う。

――そのW杯ブラジル大会、一体“どのような本田”を我々は目にすることができるでしょうか。日本代表チームはミランとはあらゆる面で異なります。

 日本代表における彼はまったくの別人と言っていい。それこそ昨年のコンフェデ杯の日本対イタリア戦(4-3でイタリアが勝利)で我々が目の当たりにしたように。 

 日本代表では、周囲が本田のために走るという“サポート”がある。加えて、これもまた重要な要素である“監督の信頼”がある。ザックが本田に寄せる信頼は厚い。したがって、本田自身の精神状態も、ミランでのそれとはまったく違ったものだろう。

 そして、ポジティブな精神状態は直接的にプレーの質につながっていく。とすれば、今季我々が見た本田とはまったく異なる質のプレーを見せてくれるに違いない。その思いはきっとザックも同じはず。“実にいい選手”であるだけに、その才能がよりよい形で生かされることを願っているよ。

■プロフィール
ジュゼッペ・ベルゴミ
1963年イタリア・ミラノ生まれ。サイドバック、センターバックとして、インテル一筋でプレーし、多くのタイトルを獲得した名DF。イタリア代表でも活躍し、1982年のW杯スペイン大会の優勝メンバー。86年W杯メキシコ大会、90年W杯イタリア大会(3位)にも出場。その後98年W杯フランス大会で代表に復帰し、99年引退。現在は解説者として活躍。

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