2014.04.10

美しい散り際。CLで今季も見せたドルトムントらしさ

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 チャンピオンズリーグ準々決勝セカンドレグ。ドルトムント対レアル・マドリード戦後、場内を包んだのは感動的な空気だった。

 敗れたドルトムントの選手たちが、熱いことで知られるゴール裏へ挨拶に行く。スタンドから暖かい拍手が送られると、彼らは動くことができなくなった。ユルゲン・クロップ監督は、選手たちから少し離れた位置から、さらにスタンドをあおる。彼らを称える仕草で、指揮官自身が選手への拍手を送り続けた。

レアル・マドリード戦で2ゴールをあげたロイス 敗れたチームがそそくさと足早に去るのも、悔しさや自分たちへの怒りを感じさせる風景ではある。だがこの日のドルトムントの、ピッチに立ち尽くして自分たちの敗北を噛み締めている様子からは、勝ちたかったんだという思いがより強く伝わってきた。

 最後までピッチで立ち尽くしたのはMFグロスクロイツだった。ドルトムントの下部組織で育ち、自身もドルトムントファンであると公言する彼は、負けたことが信じられないといわんばかりに呆然とし、仲間やスタッフに慰められながらようやくロッカーへと引き上げた。「香川真司と対戦できたら最高」と、準決勝でのマンチェスター・ユナイテッドとの対戦を心待ちにしていた彼の今季の挑戦は終わった。試合後の会見の冒頭でクロップは、この日、負傷欠場したCBのスボティッチが「このチームの一員であることを誇りに思う」と試合後に伝えて来たと明かし、「私も同感だ」とつけ加えた。