チームの不調が本田圭佑に影響。なぜミランはここまで弱くなったのか
オフィシャル誌編集長のミラン便り(9)
「明日は明日の風が吹く」とは映画『風と共に去りぬ』の有名なセリフだが、試合前夜のミラン、そして本田の気持ちは、毎回こんな感じかもしれない。きっと明日の試合こそ、やってやるぞと信じて......。
今日3月11日(日本時間3月12日未明)、ミランはチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝進出をかけてアウェーの地でアトレティコ・マドリードと戦う。ホームの1戦目を0-1で敗れているミランは、最低でも2ゴール以上を決めて勝利を収めなければいけない。しかし過去のデータを見てみると、CLにおいてミランがホームで負けた場合、これまでただの一度しか次のステージに駒を進めていない。それも1955年、ドイツのザールブリュッケンに対してだ。
ウディネーゼ戦に先発フル出場した本田圭佑(BUZZI/FOOTBALL PRESS) 加えて土曜日のリーグ27節、ウディネーゼ戦で負けた(0-1)ことが、ミランの選手たちによりプレッシャーをかけている。このウディネーゼ戦に向けてセードルフはほぼ1日しか準備期間がなかった。多くの選手が3月5日の各国での代表戦に出場していたので、選手たちが本当に全員揃ったのは前日の金曜日だったのである。我らが本田圭佑も10時間以上をかけて日本とイタリアを往復したあとのフル出場となったが、やはりどこか疲れが残っていたようだ。
本田は確かにマックスの調子ではない。しかしそれは決して彼だけのせいではない。ミランというチーム自体の不調が彼に大きくのしかかっている。このコラムを読んでくださっている皆さんから多くの質問をいただいている。非常に嬉しい限りだが、その質問のほとんどが「なぜミランはこんなに弱くなってしまったのか?」というものである。シンプルだがなかなかに根本的な疑問だ。
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