2014.03.07

イタリア人記者が分析。
地に堕ちた本田圭佑の評判は今後どうなる?

  • クリスティアーノ・ルイウ●取材・文 text by Cristiano Ruiu 宮崎隆司●翻訳 translation by Miyazaki Takashi

『それでも本田圭佑を信じる』――。

 たとえ以下に記すように険しい状況であろうとも、この2014年3月上旬においてそう述べておきたい。

 とはいえ、現状はいかにも厳しい。

 たしかに、イタリア国内の全メディアが異口同音に言及しているとおり、イタリアでの”本田評”は地に堕ちていると言わざるを得ない。

本田圭佑のイタリアでの評価は厳しさが増す一方 photo by Nakashima Daisuke 走れない、敵を抜けない、守れない、タマ際に弱い、パスは冴えない、点も取れないのだから、当然と言えば当然である。逆に言えば、それでもなお本田を擁護する向きがあるとすれば、むしろそちらの方がどうかしている。出来が悪ければ批判される。プロなのだから、至って当たり前のことである。しかも本田が身につけているのは他でもない、ミランの10番である。

 ロシアリーグ閉幕から間を置かずに移籍し、現在に至るまでまともな休暇を取れていないのだから、コンディション不良は考慮されてしかるべきである。したがって、現在の評価は全体として厳しくならざるを得ないとしても、あくまでも今はまだ”待つべき段階”にある。

 ミラノに来てまだ2カ月弱である。この部分を失念してはならない。巷間言われるように、まったく異なる環境への適応は言うほど簡単ではないし、しかもその新たな場所が”セリエA”となればなおさらのこと。

 周知のとおり、ここイタリアは単に巧いだけでは生き残れない。ならば本田のような”巧い選手”が壁に直面するのも至って当たり前。あのイタリアの至宝ロベルト・バッジョでさえ、ミランでは純然たるスタメンではなかった。当時(95-96シーズン)の監督がいわゆる”ファンタジスタ嫌い”にして勝利至上主義者とされるファビオ・カペッロであり、当時のミランが今よりも高いレベルの選手たちで構成されていたとはいえ、時のバロンドール保持者であったバッジョですら控えのひとり、一構成要員とされていたのである。

 そして、以上の前提に立って現在の本田を論じればこうなる。彼もまた、あのときのバッジョと同じように、今はまだ単なる「一構成要員」に過ぎない、と。